2010年3月13日土曜日

『チャイルド44』

旧ソ連のスターリン政権下、革命を成し遂げ理想の社会に向かっているソ連において犯罪は、精神異常者か西側のスパイによってしかあり得ないというプロパガンダの下、子どもが惨殺されるという事件が起こった.
国家保安省のレオは、様々な障害を乗り越えながら事件の真相に挑んでいく.

あまりに面白くて上下巻合わせて800ページ弱をあっという間に読み切った.

44というのは小説上で殺されたことが判明した子どもの数.

恐ろしいのはソ連の恐怖政治で、隣人が密告者かスパイかもしれず、もし告発を受けたら絶対に生きて帰れないということ(何故なら、国家が捜査を間違えるということはあってはならないから).
上司に異議をとなえても反ソ連的ということで逮捕されてしまう.

まさにジョージ・オーウェルの描いた『一九八四年』そのものの世界、こんな社会が実在していたことが信じられない.

あとがきなどによると、この小説は1980年代にソ連で実際に起きた事件がモチーフになっていて、この本は自由化の進んだ現ロシアにおいても発禁になっているそう.

あとそれから、主人公の奥さんがこれまたビッチで振り回されます.

トム・ロブ・スミス 新潮文庫



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